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9月例会「オーバーツーリズムを超えて」報告

日 時 :2024年9月28日(土) 14:00~16:15
会 場 :本部
講 師 :阿部大輔 (龍谷大学 教授)
参加者 :本部 12名、オンライン 5名

海外、特にスペイン・バルセロナでの調査経験が豊富な阿部先生をお招きして、オーバーツーリズムの問題の本質と課題について、お話を伺いました。従来の観光政策では、観光客側の規制が主であり、地域住民の生活を重視した対策が少ないことが指摘されました。観光客を対象としたお店が増えると、賑わいを呼び込むように、間口を広くし、ガラス張りにするなど、空港の店舗のようなどこにでもある造りになっていき、地域の景観が薄れていきます。地域住民にとってふらっと歩きたくなるところが、殺到する観光客で行きたくない場所になってしまい、住みづらくなっていきます。このような現象は世界の観光都市で見受けられるとのこと。バルセロナではエリアによって戦略的にホテルの新規開業を規制したり、オランダ・アムステルダムでは観光税を一般財源にしたりするなど、さまざまな取り組みもご紹介いただきました。


後半のディスカッションでは、9月例会でお話いただいた後藤和子先生も交えて、様々な提案や可能性について議論しました。京都市だけではなく、府や国とも連携して、観光客のフリーライドを減らし、地域の整備などに還元する仕組みを作ることも考えなければなりません。